皆さん、こんにちは。今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」
そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」
14回目となる今回は、広島のお洒落なカフェや気になるお出かけスポットに精通しているブロガーさんが教えてくれた1冊です。
現在新米パパとして奮闘する中で出会った本は、これから子育てをされる方にもオススメできる1冊だそう。いったいどんな「撮っておきの1冊」だったのでしょうか、早速教えてもらいましょう。
お話を伺った人
よこっちさん
広島県在住のブロガー。お洒落なカフェや気になるスポットの情報を「あそびとりっぷ」にて丁寧な文章と写真で発信中。サブタイトルは「なんとなくオシャレなライフスタイルWEBマガジン」とあるが、なんとなくではなく、非常にオシャレ。広島に遊びに行く際にはぜひともチェックしておきたい記事が豊富なブログ。現在1児のパパとして子育て奮闘中。
「嘘じゃろ」思わず声が出た1冊
「この絵本は気付いたら家にあったんです。子どもが産まれた時に誰かにもらったのか、奥さんが買ってきたのかもわからないんです」となかなか珍しいタイプの出会い方をされたというのが、五味太郎『かぶさん とんだ』
スラリと細身で高身長、白シャツをさらりと着こなすよこっちさんのことですから、オシャレな1冊を選ぶんじゃないかなあと思っていたのですが、見事にハズレました笑
「そうですか? 最近は子どもかウォーキング・デッドに夢中なんですよ」
爽やかな笑顔でお子さんとゾンビを並列してくれましたが、新米パパとしてしっかり絵本の読み聞かせをされているようです。
声を聞かせてあげると落ち着くということで、読み聞かせは生後3,4ヶ月の頃からしていたとのこと。
ご自宅には30冊ほどの絵本があるそうなのですが、読み聞かせをしてあげている時によこっちさん自身のテンションが上がらない本も結構あるのだといいます。
そんな中この『かぶさん とんだ』は、ひと味違ったのだそうで。
ストーリーはタイトルの通り、かぶさんが飛んでいきます。その中で、他にもいろんなお友だちがかぶさんと一緒に飛んでいくのですが、そのチョイスがあまりに独特すぎて、衝撃を受けたのだとか。
赤かぶさん、白かぶさんと飛んでいき(かぶが空を飛ぶという点は置いておくとして、ここまでは順当そのもの)ページをめくって次に飛んでいったのがてるてる坊主さんだったのを見たよこっちさんは思わず「嘘じゃろ…」と広島弁が飛び出してしまったといいます。
(ここからどういう話になるんじゃ……)と展開が気になり、物語に引き込まれてしまったよこっちさん。僕も読ませてもらったのですが、結末もなかなかの思いがけなさでした。
これは確かに、読み聞かせてあげる側としても楽しむことができるように感じました。
我が子の気持ちを見せてくれた1冊
まだ言葉を用いてのコミュニケーションができない産まれたばかりのお子さんとも、ふとした時に通じ合えているなあと感じる瞬間があるのだといいます。
よこっちさんのお子さんは、絵本を読んでもらっている時に、面白くないなあと思っていると身をよじって嫌がるのだそう。赤ちゃんとはいえ好き嫌いはあるんですね。
『かぶさん とんだ』はどうかというと、じっと見ているのだそうです。
「まだ赤ん坊ですけど、自分と面白いと思う本が一緒ってなんかいいですよね。読み聞かせていて良い感触の反応があると、僕も楽しい」
遺伝子がうんぬんかんぬんと言う気は全くありませんが、他でもない我が子が自分と同じものに興味を示してくれるというのは嬉しいものなのでしょうね。
これまで絵本は子どもをおとなしくさせるためのもの、もしくは知育のためのツールだと思っていたところがあったかもしれません。でもそれだけじゃないのかもしれないということを、よこっちさんとお子さんに教わったような気がします。
お話を伺っている最中、絵本をパラパラとめくっているよこっちさんの手が 止まったページがありました。よく見るとセロテープで補修してあります。
お子さんが掴んで破れてしまったのだそうです。
「興味津々なのは良いんですけど、最近はなんでも掴みたがっちゃって」と苦笑するよこっちさんですが、どこか楽しげ。大切だという絵本が破れてしまっているというのになぜでしょう?
「これから子どもが大きくなって、本棚にあるこの絵本がふと目に入った時に、手に取ってこのページを見れば全部が蘇ってくると思うんです。この絵本を読んであげていた時のこと、全部が」
世界中を探し回っても、よこっちさんとお子さんの思い出が詰まった『かぶさん とんだ』は見つかりません。この破れたページを含めて「撮っておき」なのです。
「この絵本を読み聞かせてあげてたことを子どもにも思い出してもらえたら嬉しいですよねえ。もうちょっと読み聞かせてあげたら覚えててくれますかね」
そう言って優しく微笑むお父さんは、今日も「嘘じゃろ」と思いつつ、読み聞かせをしてあげているのでしょうね。
撮影を終えて
終始穏やかなテンションでお話を聞かせてくださったよこっちさん。正直に言ってスマートなよこっちさんには、オシャレなファッション誌や写真集が似合います。
それでも世界一大切なお子さんとの1冊を持ってこられたその姿に本当にカッコいい大人の背中を見た気がしました。
カフェで絵本を読むというのもなんだということで、細身とはいえ、大きな体をブランコに押し込んで絵本を読む姿を撮るという無茶な要求にも応えてくださり、本当にありがとうございました笑
次はよこっちさんオススメの、オシャレなカフェでお茶でもしましょう。
というわけで第14回目のホントレートはここまで。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!
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