皆さん、こんにちは。今日もだらだらしてますか?
どうも、だらり庵 庵主のクロギタロウです。
「人生に寄り添う1冊を楽しむ人の様子を写真に残したい」
そんな想いと共にスタートした撮っておきの1冊「本とあなたのポートレート」、略して「ホントレート」
5回目となる今回は、楽しそうなことに対する嗅覚が抜群の、元気印なブロガーさんに教えてもらった1冊です。
周りの人の笑顔を自然に引き出す彼女を見ていると、どうしてこんなに軽やかにたくさんの人を笑顔にできるのかなあと不思議に思っていたのですが、チョイスされた本のお話を聞いているうちに、なるほどと思いました。さてさて、一体どんな「撮っておきの1冊」なのか、早速教えてもらいましょう。
お話を伺った人
はちさん
公園でのピクニックや、早朝の光に包まれたお散歩写真が楽しげなブログ「きまぐれハチログ」を運営。指先1つで温かみのあるお絵かきをするスキルをお持ち。いつも楽しいことを探している姿は見ている人も楽しい気持ちにさせる。思い立ってから行動に移すまでが異次元のスピード。
楽しいことは自分で作り出してこ!
はちさんが選んだ1冊は、杉浦さやかさんの『ひっこしました』でした。
この本は可愛らしいイラストや写真がたくさんのエッセイ。エッセイというと日常のことを綴るものという印象ですが、引越しは日常が始まるまでの準備期間で、日常ではないような気がします。
なかなか珍しい「引越し」をテーマにしたエッセイ。この時点でなんだかワクワクしませんか?それにしてもなにゆえ引越しなのでしょうか。
この本とはちさんの出会いは、1年ほど前のお仕事帰り。お家の近くにある古本屋さんで見かけたカラフルな背表紙と『ひっこしました』の文字が目に留まり、たまたま手に取ったのだそうです。
実は、はちさんは社会人になってから1年半に1回は引越しをしている引越し魔。街選びや間取り図を眺めるのが好きだという彼女が、ぱらりとページをめくった瞬間にお買い上げを決断したのは言うまでもありません。
引越しをすることで、自分の身の回りを自分の思うように調えることができたらいいなとは思います。それでも、そこにかかる労力のことを考えると、ついついこんなものでいいやと妥協してしまいがちではないでしょうか。
でもそれは、あれやこれやと引越しにかかる手間や、なんやかんやを苦労だと考えるから。著者の杉浦さんは、家の中をご自身の好きなものでいっぱいにし、好みでは無い部分は好みになるようにDIYや庭造りに手を出し、挙げ句の果てには手作りビアガーデンを作ったりと、なかなか攻めた居住空間創出のために奮闘されています。
もちろんそこにはトラブルも。ですが、それすらも楽しみつつ乗り越えている様子にワクワクさせられっぱなしなのだと語るはちさん。
杉浦さんの「生活を工夫して楽しむこと」「楽しいことを自分の手で作っていく」スタイルに共感したと言うはちさん。
彼女も杉浦さんのようになんでも自分で行動して楽しんで生きていきたいのだと再確認できたのだそうです。確かに僕たちは知らず知らずのうちに、与えられた生活を送ってしまいがちな気がします。
他でもない自分の暮らしなのですから、妥協せずに自分の力を注ぐのは、実はごくごく当たり前のことなのかもしれませんね。
心が動く方に向かわんと!
杉浦さんの好きなものについて語りかけてくれているような雰囲気の文章が好きだというはちさん。
「誰かが好きについて話してくれてるのを聞いてるのって楽しいなー、って思った」
そんなはちさんですが、もともとあまり物事に興味が無いタイプ。
手当たり次第に趣味にできそうなものに手を出していた時期も(料理、製菓、パン作り、アクセサリー作り、果実酒作り、ダーツ、ボルダリング、バイク、山登り、サバゲー、ゲーム、ギター…ここに列挙しただけでも、手広すぎではと思わずにはいられません笑)
それでもなかなかハマれるものが見つからず、不意に出会う「好き」や「ワクワクする」といった感情を掻き立ててくれるものが見つかると嬉しくてしょうがないといいます。そのうちの1つだという『ひっこしました』には、よほど琴線に触れるところがあったのでしょうね。
『ひっこしました』と出会った今の部屋に住み始めてちょうど1年、引越し魔のはちさんでしたが、初めて賃貸の更新を決めたそうです。「生活に飽きた」「気分転換」「環境をがらっと変えて今を変えたい」そんな思いで引越しを繰り返していたはちさんですが、今は少し違う気分なようで。
今の居心地の良い環境や部屋にステイしたままで楽しんでいくにはどうしたらいいのか、それを考えるヒントが『ひっこしました』の中に隠れていないかと、ページを開いて探しているようです。いいですね、本と顔を付き合わせて楽しそうなことを探す。楽しいひと時だと思います。
楽しさは伝染するものだから
いつも楽しそうにしている人と、いつも不機嫌な様子の人、どちらとお近づきになりたいかと言われれば、前者だと答える人が多いと思います。
なぜか、人は基本的に受動的な生き物なのだそうです。その場にいる、より強い雰囲気を纏っている人、声の大きな人の気分に引っ張られてしまいがちな僕たち。無意識にとはいえ、どうせ引っ張られるなら楽しい方に引っ張られたいと思うのが人情。
そこで思い返してみた時に、はちさんの周りに笑顔の人が多いこと。
そしてはちさんはというと…?
やっぱり笑顔。楽しそうです。はちさんの「撮っておきの1冊」を教えてもらった今なら分かります。杉浦さんの好き、楽しいが詰まった『ひっこしました』は、まさにはちさんのような人にぴったりじゃないかということに。
理屈じゃなく「楽しい」っていいよね、心からそう思っているはちさんと楽しさの詰め合わせ『ひっこしました』、絶妙な出会いだったと思います。
撮影を終えて
撮影を終えた後のやり取りで、はちさんは現在『ひっこしました』を読み返しているのだと教えてくれました。
その中で「はじめに」を読んでいて
どの作業も大変だったけど、ものすごく新鮮でおもしろかった
面倒ごともイベントとして新鮮に楽しんでいる自分がいました
と書かれていることに気付き、まさにこれが杉浦さんに惹かれた一番のポイントだと再認識できたそうです。
引越しに際して取り組んでいる内容自体ももちろんいいなあと思っていたとのことでしたが、この本をはちさんの「撮っておき」たらしめている要素を自身にグッと引き寄せられたようで、何よりです。
これからはちさんがどこに「引っ越す」ことになろうとも、この本がそばにいる限り、彼女はいつも楽しむ姿勢をなくさずにいられることでしょう。とても素敵な本と出会えたはちさんに、少し嫉妬してしまいましたとさ。
というわけで第5回目のホントレートはここまで。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。今後も素敵な人や本との出会いを期待して、バイバイ!
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